岡崎ルネサンス

ルネサンス活動

おかざき匠の会

インフォメーション
場所: 岡崎市竜美南1-2
ホームページ: http://www.okazakitakuminokai.jp/
おかざき匠の会

「岡崎にこんないろんな業種の職人がおったとは知らんかった。いろいろ勉強になるし、またみんなが集まって一杯やれる場をつくったらどうだ。」

平成10年度、岡崎商工会議所が「空き店舗対策事業」の一環として、岡崎の伝統的な産業に携わる職人や作家が週替わりで自身の作品を展示・販売できる「匠の館」を開きました。その最終日、匠の館に参加してきた岡崎の職人や作家たちが初めて一堂に会した反省会の席での上野房男さんのコトバです。

この夏、15周年を迎えた「おかざき匠の会」は、この上野さんのコトバから設立に向けて動き始めました。職人、行政、商工会議所が連携して、国から委託を受けた特産品開発推進事業、販路開拓支援事業を進めるなかで、平成13年7月、上野さん発案の、全国的にも珍しい、職人・作家による異業種交流勉強会「おかざき匠の会」は、上野さんの予想を上回る41名もの職人、作家が結集し、産声をあげました。

 

 

 

今回は、その初代会長 上野房男さんにお話を伺いました。

 

 

 

 

◆“職人”という生き方


上野さんの実家は九州・天草。15歳のとき集団就職で故郷を離れました。横浜の工場で1年間働いたのち、当時の上司からの一言「お前はここで終わる人間ではない。」という言葉をきっかけに、手に職をつけて自分の力で生き抜くことを決意。当時、岡崎の石材店で修業していた兄を頼り、岡崎の石職人に弟子入りしたそうです。
「将来必ず独立する」確固たる目標があったからこそ、誰よりも仕事に貪欲で、探求心を持ち、技術修得のために、師匠に自ら指導を願い出たそうです。
師匠も上野さんの努力を認め、先輩弟子よりも先に大きな仕事を任すまでになりました。
「修行に終わりはない」と、話す上野さん。お客さまに必ず喜んでもらえるように、今もなお、石を見るために自ら山に赴き、石を見ながら作品のイメージを作ります。同じ石でも作り手によって石の表情が変わるからこそ、現場を大切にし、真摯に仕事に向き合います。日々の鍛錬が、職人の「確かな技術」を支えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


◆職人の誇り「伝統工芸士」


 

「伝統工芸士」とは、経済産業大臣が指定する「伝統的工芸品」の製造に従事している技術者の中でも、高度の技術・技法を保持する、と認定された方です。この認定制度は、伝統的工芸品産業の需要拡大を目的に、昭和49年に誕生しました。その産地固有の伝統工芸の保存、技術・技法の研鑽に努力し、その技を後世の代に伝える責務を担っており、平成27年現在では、7,546名の伝統工芸士が全国で活躍しています。
上野さんは、平成11年に伝統工芸士に認定され、確かな腕は経済産業省所管の一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会からも認められる存在になりました。

 

 

     ↑上野さん渾身の作品「駿府城」

 

 

 

 

 

◆おかざき匠の会


石、仏壇、日本人形、矢、和ろうそく、青銅器、和太鼓、表具、三河花火、繊維・・・・・「おかざき匠の会」は平成13年に設立された、岡崎の多様な職人と地場産業の方々で構成する異業種交流勉強会。月に一度例会を開催し、会員が順番に講師となって課題や夢を語ります。

 

※匠の一例

 

今まで一途に技術を磨いていた職人が、岡崎の伝統的なモノづくりを広くアピールするため、市民まつりや大型ショッピングモールに自身の作品を出展。モノをつくることが仕事だった職人たちが、人前で制作実演や商品説明をするようになり、視野が広がりました。

 

 

 

 

 


◆愛知万博への挑戦


2004年、おかざき匠の会にある話が舞い込んできます。翌年開催される、愛知万博へ出展しないかという打診です。世界規模の大イベントに、「本当にできるだろうか」と、メンバーの不安は募り、出展する派としない派で意見が分かれてしまいました。
結論が見えない中、上野さんは、「職人は仕事にプライドを持つべきだが、外への目を持ち、時代に合った経営や商品作りをしていかなければならない。自分自身で自分に付加価値を付けなければならない」と、考えるようになりました。
愛知万博はそのきっかけとして、職人の仕事を世間に認めてもらう二度とないチャンスと考え、採算を度外視し、万博に臨むことを決めました。
「愛知万博は本当に大変だった。でも売り上げもなんにも考えずに、夢中になってしとったわ」。そう語る上野さん。
今では多くのテレビ番組やメディアにも取り上げられ、世間での認知度も広がってきています。

 

 

 

 

◆今後“100年”の想い


おかざき匠の会は、今年で15周年、会員は56名となりました。
活動の幅は、今や県内だけでなく、東京へ進出するなど、積極的に外への発信を続けています。岡崎で数多くの職人が“匠の技”の伝承とその技を活かした新たなモノづくりに挑戦しています。歴史ある技術を守り、発展させていくためにも、「職人が生きていける世の中」を作っていくことが大事、と話していました。

 

 

 

 

 

 

 


2016年8月21日(日)、岡崎商工会議所で開催されたおかざき匠の会15周年記念イベントの締めくくりに、会のアドバイザーの深田正義さんから贈られた言葉があります。

【職人という職業はない、匠という生き方がある】

かの永六輔氏の著書「職人」にある言葉です。

上野さんは、まさにこの言葉どおりの生き様を体現されている人だと感じました。私も本物の職人に触れ、ほんの少しだけこの言葉の意味がわかった気がします。

是非、おかざき匠の会、上新石材店に足を運んでみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

   ←岡崎城と上野さん

 

 

 

 

 

 

 

 

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