岡崎ルネサンス

ルネサンス活動

布の地産地消

インフォメーション
場所: 岡崎市小呂町
ホームページ: https://www.majigire.net/
布の地産地消

「ガラ紡績」ってご存知ですか?
ガラ紡績とは、明治時代に考案され、落綿(らくめん。糸を紡績する工程ででる繊維くず)、綿屑、毛屑などあらゆる種類の糸屑を原料とし、太めの糸を紡ぐことができる紡績方法です。ガラ紡績の機械で糸を紡ぐ時、「ガラガラ」という音がすることからガラ紡と呼ばれていました。
岡崎は江戸時代以前から綿の栽培が盛んであり、明治以後、その綿を原料に、水車を使ったガラ紡が繁栄しました。しかしガラ紡は、近代的な機械紡績に圧迫され、1880年代以降に衰退。現在では市内はもとより、愛知県下においても数軒が残るのみとなってしまいました。
今回、お話を伺ったのは、ガラ紡の復興と地元綿の普及に力を入れ、「布の地産地消」を目指して活動する㈲ファナビス 稲垣光威さんです。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

稲垣さんは、滝町で紡績業を営む家系に生まれ、紡績機の音を聞きながら成長しました。大学卒業後に繊維商社に勤務しましたが、1991年、途絶えつつあるガラ紡の復興を志して、㈲ファナビスを設立。繊維産業は、紡績業、織物業、染色業など、それぞれの工程毎に分業化されていましたが、稲垣さんは地元産の綿から糸を、糸から布を、その布から製品化した帽子や鞄を販売するという、企画、製造、販売まで一貫した事業展開に取り組みました。

 

 

 

 

 


「本気布」への想い


「布の地産地消」をめざす稲垣さんは、ガラ紡を通じて、天然繊維、天然染め、無添加、無農薬の布製品を消費者の皆さんの手元に届けたいと考え、2005年に『本気布』(マジギレ)プロジェクトをスタートしました。この本気布は、ガラ紡糸で織った布を柿渋染という天然染の手法で染色した布で、環境や自分の街・岡崎について「本気」で考えてもらいたいという稲垣さんの熱い「マジな想い」が込められているそうです。また、この本気布は、2006年ジャパンテキスタイルコンテストで入選を果たしています。
本気布商品は、市内のこだわりショップでの販売のほかに、奥殿陣屋で開催する朝市、おかざきファーマーズマーケット、京都・東寺の弘法市などで直接消費者に販売されています。自分が作った物を自分で売り、どんな人がどんな想いで購入していったのか?を見届ける。自分の目に見え、手に届く範囲で製造・販売を行い、買い求めるお客様にも「使い続ける」という一行程を通して、製品を一緒に完成させて欲しい、という想いをもっているそうです。

 

 

 

 

 

 

 

「お客さんと接する中で、一番印象に残ったこと、嬉しかったことはどんなことですか?」と質問したところ、数年前に、朝市でマフラーを購入したかたが、その数年後に同じ朝市を訪れ、「あなたから買ったマフラー、とても温かくて気持ちが良かったから、今はマフラーを崩して、インナーとして使っているのよ。肌触りが良くて本当に気持ちがいいの」と、言われたことが嬉しかったそうです。
商品がお客様の手元に届き、さらに買ったかたの新たな想いや手が加わり、新しい商品として活用されている。消費者も製品を完成するための一部、一緒になって商品を完成してもらう、という想いが完結した形を目の当たりにして、とても感動されたそうです。

 

     

 

 

 

 

 







 

 

「想いを広める」


ガラ紡の復興や布の地産地消を目指した活動は、本気布製品の製造・販売だけではありません。2006年からは、籠田公園で開催されていた青空クリエイターズフェスタ@籠田公園などで、毎年約1,000人の方々に綿の種を配布。種を受け取った方々が栽培し、秋に綿花を収穫した後、手で糸を紡ぐ体験を行うワークショップ「岡崎=綿(メン)フィス化計画」や、「純・国産」の布を創るプロジェクト「福綿(ふくめん)プロジェクト」などの啓蒙活動にも積極的に取り組んでいます。
またガラ紡が盛んであった奥殿町の奥殿小学校で、幼い頃から地元の歴史や産業に触れることにより、まちに対する愛着と誇りを育み、岡崎で育つことの豊かさを子どもたち自身に感じてもらうことを目的に、2014年から総合学習の一環として、綿の種まきから収穫、糸の染色、小物づくりまでを教えられています。
2017年2月23日、今年度最後となるガラ紡の総合学習を見学してきました。一年間の学習を振り返り、実際にクルミやドングリなどの天然染料で糸を染め、その糸を使って一生懸命ミサンガを編む子どもたち。その楽しそうな笑顔や,真剣な眼差しに触れ、このガラ紡についての学習経験が、子どもたちの記憶に残る大切な時間となったことを実感しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


綿の種を蒔き、やがて発芽し、綿花となって収穫する。そして糸を紡ぎ、布を織り、私たちの生活を彩る「純岡崎産」の衣服や雑貨にその姿を変え、世の中に広まっていく。
稲垣さんの熱い想いを持った活動も、「ファナビス 稲垣光威」という一つの点から、想いを同じくする仲間へと繋がることで線となり、いつか岡崎市全体にまで大きな広がりとなることを期待して、今回の取材を終えました。

 

 

 

                                             

 

 

 

 

 

 

 

【掲載日:平成29年3月28日】

LINEで送る

Let’s
Share!