岡崎ルネサンス

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東京2020 パラリンピック出場をめざして <キラリときめく「岡崎の今」2>

今回は、リオ2016パラリンピックに出場した陸上選手・山本萌恵子さん(18歳)をご紹介します。


「陸上」という居場所を見つけたからこそ『今』がある


 
2016年9月16日、日本時間23時9分、ブラジルのリオデジャネイロで、パラリンピックの陸上女子1500m(T20:知的障がいの部)がスタートしました。山本萌恵子さんは、日本から遠く離れた外国で、家族とも離れて出場したレースにも関わらず、パラリンピック初出場で堂々の7位入賞を果たしました。
「生後4カ月の頃から、人見知りが激しくて、私からほとんど離れられませんでした。そんな萌恵子が、今では何時間も飛行機に乗って、家族のいないところで頑張っている。しかも陸上の日本代表選手として、パラリンピックに出場できた なんて、本当に夢のようです」と、嬉しそうに語る母親の忍さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<自閉症と診断されても、
    あきらめなかった母の愛>

 

                                     

                          

 萌恵子さんは、小学2年生の頃から家以外では全く話さなくなり、学校でもただ座っているだけという日々が続き、自閉症と診断されました。そして、場面緘黙症(ばめんかんもくしょう:特定の場面、状況で話せなくなる症状)の治療のために入院しましたが、話せるようになることはなく、表情の変化もほとんどなくなっていきました。
 忍さんは、「萌恵子は、自分の思い通りにならないと大声をだしたり、泣き叫んだりして。毎日毎日がとてもつらく、どうしてよいのか途方に暮れることもたくさんありました」と、過ぎし日を懐かしみます。
 しかし、そんな萌恵子さんが中学1年生の夏、今につながるステキな出逢いがありました。
「四国の愛媛県にある【トモニ療育センター】を紹介され、河島淳子先生にお会いしたんです。そこでは、子どもにとって、とても影響力のある母親が、知識と愛をもって接し、育児と教育ができるような療育者にならなければならないと教わりました。そして、萌恵子の生活のリズムを整えるために、<毎朝3キロのランニングと料理をつくること>という目標を与えられたのです」。
 最初は嫌々だったものの、次第に習慣になり、母親との二人三脚で、萌恵子さんは毎日のランニングを続けていきました。また、二人の兄が陸上部だったことから、岡崎市立竜南中学校の陸上部・駅伝部に入部。様々な大会で、ひたむきに一生懸命に走る萌恵子さんは、同級生や先輩後輩などから、熱い声援が送られることで、<走ること>がますます好きになっていったそうです。

 

 

 

 

 

 

<世界ランキング第6位。アスリートとしての心意気も育ってきている>

 

 萌恵子さんは、中学卒業後、愛知県立みあい特別支援学校高等部に入学。ここで、現在のコーチである長坂利幸先生に出逢います。
「高校1年生のころに比べたら、心も体も全く違いますね。自分で考えて、食事制限をしたり、甘いものを食べられないときは、匂いだけで我慢したりして、涙ぐましい努力をしていますよ。もうすっかり、気持ちは立派なアスリートですね」と、語ります。
 萌恵子さんは、相当きつい練習をしても、やめたいと思ったことはなく、陸上に<自分の居場所>を見つけたように、毎日の練習に励んでいます。忍さんも、可能な限り毎日付き添い、娘の頑張りを、一番身近に感じています。
 また、高等部には、陸上部がなかったので、高校1年生の時から光ヶ丘女子高等学校陸上部の練習に一緒に参加させてもらい、現在も引き続きそこでトレーニングを行っています。 
 そして、めきめきと実力を上げていった萌恵子さんは、高校2年生の時には、全国障がい者スポーツ大会の800mと1500mで見事に優勝を飾りました。現在、高校を卒業した2016年の世界ランキングは第6位。記録が伸びる可能性は、まだまだ充分にあり、2020年の東京パラリンピック出場をねらっているそうです。

 

 

 

 

 


 

 

<料理や手芸で手先を使うことが、
           精神の安定につながる>

             
 

 

 

 

また、萌恵子さんの作る料理で、家族に人気のメニューは、<まぐろアボカド丼>。
忍さんは、「萌恵子は、誕生日やクリスマスなどに、ケーキやお菓子を作ったり、夕食のサラダや和え物、汁物を作ったりしています。中学からはじめたクロスステッチも上手なんですよ。リオに行った時にも持参して、空き時間に作っていたようです。よくぞここまで成長してくれたな、と萌恵子を支えてくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです」。

 

 

 

 

 


<親としての目標は、【子どもが自立して生きていくこと】>


 


「日々を大切に、いかに心豊かに過ごしていけるのか。また、子どもの可能性を信じて、あきらめずに応援していけたら幸せです」と、微笑む忍さん。
 2017年5月、タイで開催予定の「INAS世界選手権(知的障がい選手の世界選手権)」に日本代表選手として出場することが決定している萌恵子さん。
 これからも、限りない可能性を伸ばしながら、様々な恵みを受けて、大きく羽ばたいていってほしいと、心から期待しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
 

掲載日:平成28年12月13日

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