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1年を通して食べられる真福寺の竹膳料理

インフォメーション
場所: 岡崎市真福寺町薬師山6
ホームページ: http://shinpukuji.com/
1年を通して食べられる真福寺の竹膳料理

タケノコといえば春の味覚ですが、岩津学区の真福寺なら1年中いつでもタケノコ尽くしの竹膳料理が味わえます。タケノコを春しか食べないなんてもったいない! 日本全国のタケノコ好きよ、今すぐ真福寺へ急げ!

 

 

 


創建は今からおよそ1400年前
水を本尊とする珍しいお寺です

 

 岡崎市北部の岩津学区にあり、市内はおろか、三河地区でも現存する最古のお寺といわれている「霊鷲山降劒院(りょうじゅせんこうけんいん)真福寺」。お目当ての竹膳料理をいただく前に、まずはお寺の歴史や見どころを紹介していきましょう。


 真福寺の創建は飛鳥時代にあたる西暦594年。今からおよそ1400年も昔にさかのぼります。 

 「言い伝えによると、施主は当時の豪族である物部守屋(もののべのもりや)の次男、真福(まさち)。この方の名前が寺名の由来にもなっています」と話すのは、副住職の澳邑全海(おうむらぜんかい)さん。

案内役を務めてくださった真福寺の副住職、澳邑全海さん


 真福寺は境内に湧き出る泉の水を信仰の対象とする、全国でも珍しいお寺です。この泉を最初に発見したのが真福という人物。ある日、泉から現れた薬師如来の姿を目の当たりにし、このことを末代まで伝えようと、聖徳太子に願い出て建立したといわれています。本尊は水体薬師如来。泉がある場所を囲むかたちで八角形の御堂が建立されており、その御堂を中心にして本堂が建てられています。

 

 

石段の先に見えるのが真福寺の本堂。健康と目のお薬師様として知られ、全国から多くの参拝者が集まります

 

本堂の内部。御堂の前には三体の前立仏(まえだちぶつ)が安置されています

 

本尊の泉を祀る八角形の御堂(御堂の内部は見学できません)

 

白鳳時代(西暦700年前後)の作といわれる水体薬師如来の仏頭。境内の菩提樹館に展示されています

 

 

国指定重要文化財である
慈恵大師良源の本像を安置

 

 そして真福寺といえば、大師堂(だいしどう)に安置されている慈恵大師良源(じえだいしりょうげん)の本像である木像慈恵大師坐像(もくぞうじえいだいしざぞう)も見逃すことができません。

慈恵大師良源の本像。像底に文永11年の発願という墨書の銘文が残されています


「この本像は、文永11(1274)年に比叡山の僧が発願した3体のうちの1体。国指定重要文化財で、すこぶる怪異と形容される鋭い目つきが特徴です」と全海さん。
 良源とは、平安時代を生きた天台宗の僧。現在のおみくじの原型となった観音百籤(かんのんひゃくせん)を考案したばかりか、「南無阿弥陀仏」という念仏信仰の祖としても知られ、法然(ほうねん)や親鸞(しんらん)など、後の仏教界の高僧にも多大な影響を与えた人物です。
 「非常に優れた霊験を持った方で、疫病が流行った時代には、鏡に映った自らの姿を弟子に描かせて護符とし、またたく間に悪疫を治めてしまったという伝説も残されているんです」
 ちなみに護符に描かれているのは、鬼の姿となった良源。実際に鏡に映った良源は、人間には見えず、まさしく鬼そのものだったとか。本像の前で鋭い視線に射すくめられていると、そうした伝説も「さもありなん」と思わせられるから不思議です。

鏡に映った良源を描いたとされる護符。現在でも玄関先に貼る家庭が少なくないとか

 

大師堂には家康公と慶喜公を除く歴代徳川将軍の位牌も収められています


 ほかにも真福寺には、開山堂や多宝塔、仁王門など、ぜひとも立ち寄りたい見どころが多数。寺宝や盆栽を展示する菩提樹館には、なんとノーベル文学賞受賞作家の川端康成が所有していたという盆栽(しかも世界に2鉢しか残っていないうちの一つ)も! もっと時間をかけて散策すれば、さらに多くの発見や驚きがあるに違いありません。

 

寺宝や盆栽を数多く展示する菩提樹館。写真は室町時代に描かれた三千佛図(さんぜんぶつず)です

 

岡崎市の彫刻家、山下清さんの作品も多数展示されています

 

これが川端康成遺愛の盆栽「五葉松」。ほかにも日本を代表する銘木がそろいます

 

境内にはこんなところもありました。伊勢の海につながっているという伝説の「ほら貝の穴」

 

 

 

住職自らが味付けを確認する
昔から変わらないおいしさ

 まだまだ見どころの尽きない真福寺ですが、気がつけば早くも昼食の時間! さっそく竹膳料理が食べられる参集殿に向かいましょう。本堂や大師堂からは、極楽橋という赤い橋を渡った先にあります。

竹膳料理が食べられるのはこちら、参集殿。テーブル席と座敷席があり、好きな方を選べます


 真福寺の竹膳料理は、もともと座禅やお務めをする人に出していた精進料理の一種。一般の人も食べられるようになったのは、昭和51年以降のことでした。
 「このあたりは昔から竹林が豊富で、おいしいタケノコが採れることで有名なんです。そこでタケノコをふんだんに使った料理を出していたところ、『普段から食べられるようにしてほしい』という声が多数寄せられるようになりまして」と微笑むのは、住職の澳邑全教(おうむらぜんきょう)さん。

料理の味付けも担当する住職の澳邑全教さん


 おいしさの秘密は境内の赤土。土質が良いために、柔らかくてアクの少ないタケノコが育ちます。
 現在のメニューは全部で5種類。タケノコの刺身や天ぷら、味噌田楽、煮付けなどが一つの膳に載っており、お好みでタケノコご飯やタケノコ入りの茶碗蒸し、鮎の塩焼き、エビフライなどを付けることができます。

タケノコのお刺身は瑞々しく歯ごたえも十分(手前は刺身コンニャク)! ちなみに膳や器、箸などもすべて竹でつくられています

 

タケノコと旬の野菜を使った天ぷら。タケノコ以外は季節によって内容が変わります

 

タケノコの味噌田楽。左から八丁味噌、白味噌、抹茶入り白味噌と一つずつ違った味が楽しめます

 

今回チョイスしたのはタケノコご飯付き。これは絶対に食べてほしい! かなりオススメの一品です

 

調理場にもお邪魔しました。調理全般を担当しているのは澳邑恵美子さん。40年以上の経験を持つ大ベテランです


 ちなみに煮付けやお吸い物などは、全教さんが毎朝欠かさず調理場まで足を運び、自ら味付けを確認しているとか。まさに住職お墨付きのおいしさというわけです。
 料理はすべて昔から変わらないという優しい味。なにを食べてもとてもおいしく、ありがたい滋養が体に染み込んでいくような、幸せいっぱいのひとときを堪能させていただきました。

 

 

 

ヘルシーなタケノコ料理は
夏バテ防止にもうってつけ

 


真福寺の境内には、いたるところに美しい竹林が。夏は日よけの役目も果たしてくれそうです

 

 真福寺の竹膳料理は、1年中いつでも食べられることがポイント! 取材に伺ったのは5月の後半でしたが、休日だったこともあり、たくさんのお客さんで賑わっていました。もちろん旬の季節は春ですが(毎年4月から5月上旬にかけては、全教さんと全海さんが自ら採ってきた新鮮なタケノコが食べられるとか)、タケノコは食物繊維が豊富でヘルシーな食材。胃もたれもしないので、これからの季節は夏バテ防止にもオススメです!

 

 

 

◯真福寺data
■正式名称:霊鷲山降劒院真福寺
■電話:0564-45-4533(竹膳料理の予約は0564-45-4626)
■拝観時間:拝観自由(竹膳料理は11~14時、菩提樹館は9〜16時)

※竹膳料理は事前予約が必要です
■休観日:不定
■料金:竹膳料理(白ご飯付き)¥1,200(税別)~、菩提樹館の入館料¥370(中学生以上)
■駐車場:あり(3ヵ所)
■HP:http://shinpukuji.com/

 

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◯ライター:藤原均

愛知県名古屋市出身。つい最近まで岡崎に住んでいましたが、事情があって泣く泣く転居。今もたびたび岡崎に足を運び、胸に刻み込まれた岡崎愛を再確認しています。市内のフェイバリットスポットはLibra

◯掲載日
2017年7月14日

 

 

 

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