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年に一度!自然科学研究機構の一般公開に潜入してみた

インフォメーション
場所: 岡崎市明大寺町字東山5-1(自然科学研究機構 生理学研究所 山手地区)
ホームページ: http://www.nips.ac.jp/
年に一度!自然科学研究機構の一般公開に潜入してみた

三島学区の丘の上にある「自然科学研究機構」では年に1回、研究所の一般公開を行っています。世界の最先端の研究を行う施設の内部が見られる貴重な機会!ということで、平成29年10月21日に開催された「生理学研究所」の一般公開へ取材に行ってきました。

 

 

ノーベル生理学・医学賞を受賞した
大隅良典氏も在籍

 

 岡崎市の「自然科学研究機構」には、「基礎生物学研究所(基生研)」、「生理学研究所(生理研)」、「分子科学研究所(分子研)」の3つの研究所があります。世界に誇るトップレベルの研究機構であり、2016年(平成28年)にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典氏が基礎生物学研究所に13年間教授として在籍していたことでも大きな話題になりました。なお、大隅氏は2017年(平成29年)2月11日に、岡崎市より「岡崎市市民栄誉賞」が送られています。
 
一般公開で展示された電子顕微鏡

 

 

 日々どのような研究が行われているか、またその成果などを市民に伝えることを目的に、各研究所は3年ごとの持ち回りで施設を開放する一般公開イベントを開催しています。つまり、年に1度、どこかの研究室の中を見学できるということになります。

 2017年(平成29年)は、生理学研究所が「こころとからだのサイエンスアドベンチャー」と題した一般公開を10月21日の土曜日に行いました。今回は、その様子をレポートしていきます。

 

 

 


生理学研究所ってどんなところ?

 

 

山手キャンパス 一般公開の受付

 

 

 生理研は、人体の機能とその仕組を総合的に解明することを究極の目標として、1977年(昭和52年)に生物科学総合研究機構(基礎生物学研究所、生理学研究所)が創設されました。ヒトのからだ、特に脳との働きとメカニズムを中心に、運動や感覚、記憶、そして社会における心の繋がりに至るまで、さまざまな角度からの研究が行われています。

 
人の心も研究対象なんですね

 

 

 

 

会場は2か所
シャトルバスの運行も

 

 生理研の一般公開は、「岡崎コンファレンスセンター」と「山手地区」の2か所で開催。各会場と名鉄東岡崎駅は約20分間隔でシャトルバスが運行していました。

 
各会場と名鉄東岡崎駅を繋ぐシャトルバス

 

 

 まずは、「山手地区」へ向かいます。1号館から5号館までキャンパスがありますが、今回は2号館と3号館が一般公開の会場になっていました。
 
自然科学研究機構 山手地区外観

 

 

 

さっそく、研究室の中に潜入!

 

 ここでは、普段まさに研究が行われている研究室の内部を実際に見学することができます。この日はあいにくの雨天でしたが、会場には朝からたくさんの人が!まずエレベーターで8階まで行き、そこから各研究室を巡りながら1階まで降りるという順路です。
 
研究室の入口には行列が!

 

 

 各階の廊下には、「脳のシナプスの働き」や「辛さを感じる仕組み」など、それぞれの研究室の研究内容がわかりやすく紹介されたパネルが展示してありました。本当に多くの人が訪れていたため、一部の研究室では長い列ができていましたが、こういった展示を読みながら待つことができるので飽きません。

 
研究室に設置されたパネル

 

 

 はじめに、生体膜研究部門の研究室へ。記憶はタンパク質で創られる…ということで、タンパク質の種類や量、場所を調べている部門だそうです。この研究室では、普段研究員さんが実際に扱っている器具を使用した実験体験や、身近な食品に含まれるタンパク質の量を調べる実験などが行われていました。
 
普段研究に使っている器具を惜しみなく使用していました
 
身の回りにある飲み物のタンパク質の量を調べる実験

 

 

 当然ですが、見学ルート以外は立入禁止です。立入禁止の案内を見ながら、「本当にここで日夜研究が行われているんだなあ…」と実感が湧きました。
 
見学ルート以外は立入禁止です

 

 

 

 

ノーベル化学賞受賞者が開発した
クライオ電子顕微鏡も展示!

 

 このほか、顕微鏡を使用した細胞の観察や、身近な生き物をテーマにしたクイズ、そしてipadを使用して野菜の細胞を観察する体験など、趣向を凝らしたさまざまな展示や体験ブースが用意されていました。どのブースでも、研究者さんから直接話を聞くことができます。

 
身近なテーマで、子どもにも人気だった「ウニクイズ」

ipadやスマートフォンに設置するタイプの顕微鏡で野菜を観察

 

 

 また、2017年(平成29年)にノーベル化学賞受賞者が開発したクライオ電子顕微鏡の展示もありました。これは生態を急速凍結して観察ができるというもので、ウイルスなどの構造がより鮮明に映し出すことができるそうです。医薬などの分野で活躍する革新的な技術だと、研究員さんが教えてくれました。

ニュースの中の存在だったものが目の前に!

 

 

 

いろいろな体験に
チャレンジしてみました!

 

 続いて、「岡崎コンファレンスセンター」へ。この会場では、「脳のしくみ」や「深海生物の生態系」などをテーマに、生理研の教授や外部の講師を招いた市民講座も開催されていました。
 
自然科学研究機構 岡崎コンファレンスセンター外観

市民講座の様子

 

 

 この会場でも、講座だけでなく展示や体験ブースが用意されています。せっかくなので、私も色々と体験してみました!

 まずは、上下が反転する「逆さメガネ」にチャレンジ。普段見ている世界とは異なる世界を見ることで、脳がどのように知覚しているかを体感するというものです。このメガネをかけてみると…視界の上下が反転し、自分が思った通りに身体が動きません!
 
体験用に用意された逆さメガネ


メガネをかけたまま星をなぞりますが、うまく書けない…

 

 

 しかし、この「逆さメガネ」を長期間かけ続けると、逆さに見えているということが感じなくなるくらい身体が順応するそうです。つまり、今見えているこの世界も、外界をそのまま映しているわけではなく、経験によって形作られたビジョンなんだそう。不思議ですね。
 
逆さメガネを体験する子ども

 

 

 次に、近くで見るとオカザえもんに、遠くからみると人の顔になるというハイブリッド画像を作ってみました。脳の中には、粗さ、細かさに反応する細胞があり、それを確認するための実験です。
 
近くで見ると、オカザえもんが浮かび上がる!?

 

 

 このほか、3Dプリンターの実演や運動コントロール体験、さらに白衣を着用しての記念撮影など、実に多彩な企画が行われていました。

 

 

 

アンケートとスタンプラリーで
プレゼントがもらえる!

 

 各研究所のスタンプラリーを完成させるとノートパッドとクリアファイルが、アンケートに回答するとオリジナルの実験ノートブックプレゼントがもらえる企画も実施していました。スタンプラリーは、子どもに大人気!景品のノートパッドには、生理研の公式キャラクター「のう君」がプリントされていました。
 
スタンプラリーを完成させました!
 
のう君、かわいいです ※写真はスタンプラリー2人分

 

 

 年に一度ということもあり、多くの人で賑わっていた一般公開。身近なものを題材に、わかりやすく配慮された展示が行われているので、大人も子どもも楽しめる内容でした。年に一度の貴重な機会、訪れなければもったいない!ぜひ来年の一般公開に足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

◯生理学研究所 一般公開 2017 data
「こころとからだのサイエンスアドベンチャー」
■住所:岡崎市明大寺町字東山5-1(自然科学研究機構 生理学研究所 山手地区)
             岡崎市明大寺町字伝馬8-1(自然科学研究機構 岡崎コンファレンスセンター)

 

〇関連学区まちものがたりリンク
三島学区 三島学区まちものがたり
 
◯ライター:前田智恵美
1984年、宮城県石巻市生まれ。東京のIT企業に勤めた後、結婚を機に夫の地元である愛知県岡崎市へ。自動車部品メーカー広報、出版社勤務を経てフリーに。キャンプと旅行が好きです。

 

〇掲載日
2017年11月21日

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