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開場60年を迎えた恵田小学校の落ち葉スキー

インフォメーション
場所: 愛知県岡崎市恵田町三月ケ入71-1
ホームページ: http://www.oklab.ed.jp/weblog/eta
開場60年を迎えた恵田小学校の落ち葉スキー

平成29年、恵田小学校の落ち葉スキーが開場から60年を迎えました。これまでの長い歴史をあらためて振り返るとともに、現代の子どもたちが楽しそうに滑る姿を取材しました。

 

 

 


1957年(昭和32年)から続く
落ち葉スキーの歩み

 毎年11月から2月下旬にかけて行われる恵田小学校の落ち葉スキー。その始まりは1957年(昭和32年)にさかのぼります。発案者は、当時の校長である淺井修先生。自然と親しむことや冬場の体力づくりを目的として考案されました。

1959年(昭和34年)の写真。スキーを滑っているのが当時の淺井先生です(写真提供:恵田小学校)

 

 

 

 最初期のスキー板は、なんと竹を割ったもの。本物のスキー板のように先端を反らせるため、七輪であぶって曲げていたそうです。

当時のものを真似てつくった竹製のスキー板

 

 

 

 小学校が開校100周年を迎えた1975年(昭和50年)には、当時の先生と児童で作詞・作曲した「落ち葉スキーの歌」が完成。記念学芸会で初お披露目されました。さらに1980年(昭和55年)には、西阿知和町にある愛知県立岡崎聾学校と落ち葉スキー交流を開始。この交流は現在も続けられています。

1980年(昭和55年)、愛知県立岡崎聾学校との第1回目の交流式(写真提供:恵田小学校)

 

 

 

 なお、現在の落ち葉スキー場は3代目。平成7年に大規模な移設が行われた後、平成26年には、学校脇の道路の拡張工事に伴うコース変更がありました。「このときは、3つのコース名など、子どもたちからもたくさんのアイディアを募りました」と話すのは、教頭の森下恒夫先生。新たに設置されたスタートバーやゴールポイントなども、子どもたちの発案だそうです。

右に見えるのが平成26年より新たに設置されたスタート台

 

 

 

 そんな落ち葉スキー場も、平成29年で開場からついに60年です。11月16日の開場式には、発案者の淺井先生の息子である淺井溢夫さんが臨席し、子どもたちが模範スキーを披露。さらに同月25日には、学区収穫感謝祭と合わせて開場60年記念会が開催され、60年間のさまざまな写真がスライドショーで流された後、落ち葉スキー場を一般開放。今では大人になったかつての卒業生や学区民の皆さんが、久しぶりの落ち葉スキーを楽しんで昔を懐かしみました。

落ち葉スキー開場60年記念会の様子。子どもたちに話をしているのは、学区社教委員長の柴田和敏さんです(写真提供:恵田小学校)

 

 

 



挑戦を繰り返すことで
努力の大切さを学んでほしい

 現在の落ち葉スキー場は、もっとも勾配がゆるく、長さ27mのメジロコース、長さ31mのカワセミコース、もっとも急勾配で長さ33mのハヤブサコースという3種類。1年生から6年生まで、それぞれの経験と技術によってコースを使い分けています。「最初は座った姿勢でメジロコースを滑り、スピード感に慣れるようにしています」と、6年生の担任を務める藤田宏先生が教えてくれました。

子どもたちはヘルメットと膝当てを着用して滑ります

 

 

 

 座った姿勢で滑る練習を繰り返した後は、少しずつ腰の位置を上げていきます。「立って滑られるようになったら、今度は速く滑ることを目指します」と藤田先生。上達の早い子は、1年生でまっすぐ立てるようになるそうです。

子どもたち1人ひとりに用意されている検定表

 

 

 

 なお、スキー板はエッジのないものを使用しているため、スピードの調節がむずかしいとか。「いかにバランスを上手くとるか。重心移動の仕方を体でおぼえることが大切です」と藤田先生。「もしかしたら、本物のスキーよりも技術が必要かもしれません」と話します。

もっとも難易度の高いハヤブサコース。上から見下ろすと、かなりの急勾配に感じます

 

 

 

 検定表は7級から5段までの13段階に分かれており、「勇気を持って1つひとつの目標に挑戦していく。そうした経験を通して、努力することの大切さや強い心を育んでもらいたい」と森下先生。ハヤブサコースを5.8秒以内で滑られるようになったら、最上位の5段になります。

後列一番右が教頭の森下恒夫先生、後列一番左が藤田宏先生

 

 

 

 


落ち葉スキー場の維持に
保護者や地域の人たちが協力

 落ち葉スキーの伝統を守っているのは、先生と子どもたちだけではありません。平成7年に落ち葉スキー場が移設されることになった際には、保護者など多くの地域の人たちが整備作業に加わりました。

移設作業が行われた平成7年の写真。新しい落ち葉スキー場をつくるため、保護者や地域の人が一致団結して協力しました(写真提供:恵田小学校)

 

 

 

 「それに近年は、毎年の開場式の前に、近隣のゴルフ場から軽トラック3杯分の松葉を運搬してくるんです」と森下先生。事前に松葉を集めておいてくれるゴルフ場、落ち葉スキー場の土地を貸してくれる方、スキー板の裏側に塗る油を提供してくれる市北部給食センター、そしてヘルメットや膝当て、倉庫の寄贈と、新コースの落ち葉置き場の屋根の取り付けや、松の記念植樹の際の松の手配などをしてくれた学区社教委員会や総代会など、地域の多くの協力に対して感謝の言葉を口にします。

子どもたちが落ち葉スキーを楽しめるのも、地域ぐるみの協力のおかげです

 

 

 



親から子へと受け継がれる伝統行事

 学区の中には、すでに3世代で落ち葉スキーに親しんでいる家庭も少なくありません。子どもの頃に落ち葉スキーを楽しんでいた人たちが、やがて大人になり、今度は子どもたちをサポートする側に回る。そうやって60年も途切れることなく続いてきた恵田小学校の落ち葉スキー。恵田学区ならではの伝統行事として、これからも地域の協力に支えられながら長い歴史を刻んでいくに違いありません。

 

 

 

 

◯取材協力:岡崎市立恵田小学校
■所在地:愛知県岡崎市恵田町三月ケ入71-1
■電話:0564-45-2225
※落ち葉スキー場は一般見学や体験ができます。事前に電話で問い合わせください。

 

◯関連学区まちものリンク

恵田学区 恵田学区まちものがたり

 

◯ライター:藤原均

愛知県名古屋市出身。平成29年の春まで岡崎に住んでいましたが、事情があって泣く泣く転居。市内のフェイバリットスポットはLibra! 転居したことで、広さやきれいさ、蔵書量などLibraの素晴らしさをあらためて実感しています。

◯掲載日
2018年1月9 日

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