岡崎ルネサンス

岡崎の“〇”にナるまちのものがたり

薫風に踊る夏の野山の女王 形埜のササユリ

インフォメーション
場所: 愛知県岡崎市南大須
ホームページ:
薫風に踊る夏の野山の女王 形埜のササユリ

花はシカ、茎はサル、根はイノシシ・・・とは?!思わず「コレ、な~んだ?」と、なぞなぞにしたくなるようなフレーズですが、これは深緑の季節に形埜(かたの)地区を訪れたときに小耳に挟んだお話です。答えは後ほど。

 

 

 


爽やかな6月の風に吹かれ
凛とした姿を見せるササユリ


 少しうつむくように淡紅色の花をつけ、夏の野山に気高く咲くササユリの花。岡崎市形埜地区は市内屈指のササユリの名所であり、毎年6月(例年は6月上旬~中旬)になると、甘い香りとともに、その清楚な姿をあらわします。野山にひっそりと咲くササユリもありますが、形埜には切山、毛呂、大高味、大山、神谷倉など、14か所の自生するササユリの群生地(※形埜学区まちものがたり地図参照)があり、一度にたくさんの花が見られると評判です。なかでも、おすすめは1000本以上の花が咲く南大須の群生地。歩道も整備されているので、ゆっくり観賞を楽しめます。
 青々とした草原に浮かぶ、淡紅色のササユリ。何百本もの花が、そよそよと風に揺れる光景は素晴らしいのひとことです。まだ見たことがないというあなた、今年は形埜地区のササユリ群生地を訪れてみませんか?
 
多くのササユリが見られる南大須
 
歩道も整備されているので安心
 
名前は葉の形が笹と似ていることに由来
 
こんなに立派なササユリに出会うことも

 

 

 


郷土の宝・ササユリを愛し、
ずっと見守り続ける人々


 これらの群生地の保護・管理を行っているのは、2000年(平成12年)に結成された「かたのササユリの里育成会」です。メンバーは現在26名。ササユリの育成に関する研修、調査や、草刈り、柵の設置といった保護・管理の活動を行っています。また形埜小学校の3年生の学習と連携し、新芽観察、ササユリ遠足(群生地観察)、種まきなどを通して、次世代へも郷土の宝・ササユリを伝えています。
 活動はササユリの成長に合わせて行われますが、形埜での平均的な生育として、1年目の12月に種がまかれ、2年目に球根になり、3年目の4~6月に初めて芽が出ます。そして4年目、5年目と成長を続けて6年目に花軸(茎)ができ、7~8年目の6月にやっと花を咲かせます。その後7~8年間、毎年花を咲かせ続けるのです。咲くまでに約8年とは…驚きです。
 そんな根気のいる保護・管理活動。実は今、大きな悩みを抱えています。それは獣による食害、いわゆる「獣害」です。
 
保護するために目印をつける新芽観察
 
ササユリ遠足(群生地観察)の様子
 
種の詰まった実をそっと手にする
 
薄さ1㎜もない種子は、風に舞いやすい
 
種まきとともに球根の植え替えも行う

 


自然と共生する里山で
食欲旺盛な動物たちとの知恵比べ


 そう、冒頭の「花はシカ、茎はサル、根はイノシシ」の言葉は、この獣害について地元のかたが、ポツリとつぶやいた言葉なのです。

 シカは花や若芽、イノシシは球根を好むそうですが、やっかいなのは茎を含む全てを食べ尽くしてしまうサル。器用に手を使うという技を持った強敵です。また被害が花だけなら翌年に花を咲かせる可能性があるのですが、球根を食べられたらそこで終わり。球根を求めて土壌を荒らしてしまう、怪力のイノシシもやはり難敵です。
 現在は、敷地を柵で囲ったり、網を張ったりして侵入を防いでいますが、より効果的な方法を模索中だとか。自然とともに暮らす地域のみなさんは、動物たちに悪気がないのは重々承知。でも、やっぱり悔しいと、動物たちとの知恵比べに挑んでいます。
 形埜のササユリは、今年も美しい花を咲かせてくれることでしょう。これからも守られて、次世代に引き継がれていきます。
 


シカ被害で花が見られない群生地
 
シカに花を食べられ弱っているササユリ
 
育成会のメンバーと形埜小の子どもたち

 

 

 

 

 

〇南大須ササユリ群生地data
■問合せ:かたのササユリの里育成会
■電話番号:0564-84-2002(事務局・形埜小学校内)
■場所:愛知県岡崎市南大須町
■見頃:6月上旬~中旬 ※その年の気候により変動あり
※かたのササユリの里育成会は会員を募集しています。事務局へ電話にてお問い合わせのうえ、お申し込みください。
■観賞のご注意:
・ササユリ生息地(歩道の外)には立ち入らないでください。
・観賞後は、獣害対策用の扉をしっかり閉めてお帰りください。

 

〇関連学区まちものリンク
形埜学区 形埜学区まちものがたり

 

〇公開日:2018年5月2日

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